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雪氷災害調査チームからのお知らせ : 北海道上富良野町三段山で発生した雪崩の現地調査結果の速報
投稿者 : snow 投稿日時: 2026-03-13 15:00:08 (795 ヒット)
雪氷災害調査チームからのお知らせ

2026年3月10日に北海道上富良野町三段山安政火口側で発生した雪崩について、現地調査を実施しましたので、結果を速報として公開します。
調査報告の本編はこちら>事例 / 2026 / 03-10三段山安政火口側雪崩

ー以下は上記調査報告本編の要約ですー

【約300字要約】
2026年3月10日、北海道上富良野町三段山の安政火口側で大規模な表層雪崩(ウィンドスラブ)が発生し、バックカントリースキーをしていた外国人男性1名が巻き込まれ約2m埋没した。翌11日に現地調査を実施した結果、山頂直下(標高1715m付近)から幅約100mで破断し、安政火口まで約530m流下する雪崩であった。融解凍結クラスト上に形成された風成雪と霜系弱層(FC)が原因と考えられ、弱層は広範囲に伝播性が高い状態にあった。3月5日以降、この山域では複数の雪崩が発生しており、全方位の斜面で引き続き雪崩への警戒が必要である。

【調査結果の概要(やや詳細に)】
�� 雪崩の発生状況(要約)
2026年3月10日10時15〜20分頃、北海道上富良野町三段山の安政火口側で大規模な面発生乾雪表層雪崩(ウィンドスラブ雪崩)が発生した。雪崩は山頂直下の南西斜面(標高約1715m付近)から幅約100mで破断し、漏斗状の急斜面を流下して安政火口付近(標高約1462m)まで到達した。水平距離約468m、走路長約530m、標高差約253mで、破壊サイズはDS2.5と推定される。バックカントリースキーをしていた4人パーティーのうち1名(カナダ国籍男性)が巻き込まれ、約2mの深さに埋没したが、同行者らによるビーコン捜索により約20分で掘り出され、その後ヘリで搬送された。雪崩は山頂付近から安政火口側へ滑走したスキーヤーの人的トリガーにより発生した可能性が高い。

�� 破断面観測から分かる事項(要約)
山頂直下の破断面および周辺斜面で積雪断面観測を行った結果、積雪内部には複数の融解凍結クラスト層が存在し、その上に風成雪が堆積した構造が確認された。破断の厚さは15〜82cmと場所によって変化しており、滑り面には段差が見られることから、浅い弱層からより深い弱層へ破断が連続的に広がった可能性が示唆される。また、弱層にはこしもざらめ雪(FC)などの霜系結晶が含まれており、破壊が広範囲に伝播しやすい構造であったと考えられる。周辺の積雪断面でも同様の弱層が確認されており、この弱層が今回の雪崩の主要な原因層である可能性が高い。

�� 考察(入山者への注意喚起を含む)
今回の雪崩は、3月5日に三峰山沢で発生した雪崩と同様に、クラスト上に形成された風成雪と霜系弱層の組み合わせにより発生した典型的なウィンドスラブ雪崩であったと考えられる。霜系弱層は破壊の伝播性が高く、一度破断が生じると広範囲の斜面に雪崩が拡大する可能性がある。実際にこの山域では3月5日から11日の間に複数の雪崩が確認されており、斜面方位も北・北東・南西など広範囲に及んでいる。調査時にもワッフ音や遠隔誘発雪崩が観測されるなど、積雪は非常に不安定な状態にあった。

このような状況では、クラスト上に風成雪が載った急斜面では小さな人的荷重でも雪崩が発生する可能性がある。また、霜系弱層は低温条件下で長期間残存するため、降雪や強風による上載積雪の増加により、今後も数日から数週間にわたり雪崩危険が継続する可能性がある。入山者は斜面方位に関わらず雪崩発生の可能性を念頭に置き、急斜面の通過や滑走の判断を慎重に行うとともに、ビーコン・プローブ・ショベルの携行およびグループでの安全管理を徹底することが重要である。

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