
雪崩事故防止研究会の代表である阿部幹雄と事務局長樋口和生(現在第52次南極観測隊として越冬中)が主催している北海道山岳レスキュー研究会第29回例会(2月9日)の案内です。
●北海道山岳レスキュー研究会第29回例会のご案内
年明け最初、2月の第29回例会は雪崩をテーマにし、「事故事例」と「雪崩ビーコンの特性と性能」を取り上げます。事例は安藤勧氏の「利尻山滑落事故」。雪崩に流されている状況を自ら克明に観察、記録した報告で非常に貴重な体験談です。私は、これほどまで雪崩に流されている状況を冷静かつ克明に語れる人に会ったことがありません。また転落時には、ロープ融断も発生しています。雪崩ビーコンについては、電子機器ついて卓越した知識と好奇心を持っている大西人史氏が、最新のデジタルビーコンについて解説し、操作ミスによる捜索の混乱した事例を紹介します。
積雪が少なく、寒暖差の激しいこの冬は、弱層となる「しもざらめ雪」の発達が顕著で雪崩の危険がひときわ高くなっています。このシーズンを安全に乗り切るため、教訓となる意義ある講演です。ぜひ、ご参加下さい。
当研究会の例会は、研究会会員でなくても参加が可能です。どうぞ山岳レスキューに関心のある方々をお誘い下さい。
研究会終了後は、恒例の懇親会を開催します。お仲間お誘いあわせのうえ、ぜひご参加ください。
北海道山岳レスキュー研究会 副代表 阿部幹雄
【日時】 2011年2月9日(水) 18:30〜20:45
【会場】 かでる2・7 720研修室
(札幌市中央区北2条西7丁目 北海道立道民活動センター)
【講演者と演題、要旨】
1. 安藤勧(札幌登攀倶楽部) 「2010年利尻山滑落事故報告」 18:30〜19:30
《講演要旨》演者は平成22年4月に、利尻山で雪庇崩壊による転落と、誘発した雪崩に流される事故を引き起こしている。また、転落時にロープの融断が発生している。本講演では、主に雪庇崩壊の原因や雪崩に巻き込まれた際の詳細について報告し、クライミングロープの融断原因についても触れる。近年、交通環境の整備やスノーモービルの高性能化により、従来よりも多くの方が「お手軽」に「山岳エリア」に立ち入っている。このため、対象人口が増えることで雪崩レスキューは増化すると想定され、本講演が救助に赴く方々の何かヒントになれば幸いである。
2. 大西人史(雪崩事故防止研究会、三段山クラブ代表)
「雪崩ビーコンの基本特性と性能比較」 19:45〜20:45
《講演要旨》雪崩ビーコンは、アナログ1本アンテナタイプからデジタル3本アンテナタイプへと進化しており、その性能向上には目を見張るものがある。そこで、最近登場したビーコンの性能や使いやすさをまとめて紹介する。また、雪崩ビーコンの基本原理〜反応特性等を説明し、ビーコン捜索時に混乱しがちなケースを紹介する。
【講演者プロフィール】
1. 安藤勧 北海道稚内市出身
株式会社開発工営社勤務 35歳
新潟大学山岳部で山岳登攀に親しみ、平成13年より札幌登攀倶楽部所属。
技術士(応用理学部門)、気象予報士
2.大西人史 北海道旭川市出身
地方独立行政法人北海道立総合研究機構森林研究本部勤務 46歳
三段山クラブ代表
(社)日本雪氷学会北海道支部雪氷災害調査チーム所属
雪崩事故防止研究会所属
上富良野冬期山岳事故防止委員会(カミフ会)所属
http://www.sandan.net/
にて、カミフ山岳エリアやBCスキーなどの情報を随時発信中。
【参加費】 会場使用料、講師謝礼として1人500円〜1000円集めます。
(金額は参加者数によって決定します)
【申し込み先】 田原功一 rescue-tiger at ex.me-h.ne.jp
【問い合わせ先】阿部幹雄 mabe at seagreen.ocn.ne.jp
※例会終了後懇親会(「サンコック」緑苑ビル地下、会費3500円)を予定しています。
こちらにもぜひご参加下さい。
☆資料や会場準備の都合上、ご参加の可否をE-mailにて事前にお知らせ下さい。
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