
第47回例会では、当研究会副代表の阿部幹生さんの経験を講演していただきます。
「生と死」、「死後の魂」、「責任」を考え続けた28歳から現在、61歳までの私の精神遍歴を語ります。非常に私的な内容に終始しますが、「山から生きて還る」、「救助を行う」、これらに関わる方々の活動の参考にしていただければと思います。
当研究会の例会は、研究会会員でなくても参加が可能です。どうぞ山岳レスキューに関心のある方々をお誘い下さい。研究会終了後は、恒例の懇親会を開催します。12月ですので、“忘年会”になります。一年を振り返り、新しい年に向け、意義ある酒杯を重ねられればと思います。
こちらにもふるって、ご参加ください。
【日時】 2014年12月10日(水) 19:00〜20:45
【会場】 かでる2・7 710研修室(7階)
(札幌市中央区北2条西7丁目 北海道立道民活動センター)
【演題と講演者】
「命をかけて、命を守る」・・・・・阿部幹雄
(北海道山岳レスキュー研究会副代表・雪崩事故防止研究会代表・「雪氷災害調査チーム」代表)
【講演要旨】
1981年、北海道山岳連盟「ミニャ・コンガ登山隊」(7556?、中国四川省)の第1次登頂隊は頂上直下に迫ったが、私の前を登る8人が滑落死した。私ひとり生き残り、下山中、クレバスに墜ちて死を覚悟した。けれども命をかけ、救助してくれた岳友のおかげで生還した。それから27年、遺体を捜索して山から下ろし、荼毘にして骨を拾い、墓に納め、遺族に手渡してきた。
死とは何か。生きるとは何か。死体とは何か。死後、魂は存在するのか。
「生と死」に向き合い、生きてきた。
そして、「責任」という言葉の意味を考え続けた。
2007年、54歳の私は、南極観測隊隊員になり南極大陸に降り立った。それから3年連続、毎年3ヵ月間、山岳地帯でテントで暮らし、スノーモービルの旅を続けた。私の任務は研究者を支え、食料と装備を準備し、彼らの安全を守るフィールドアシスタント。白夜の夏とはいえ、氷点下25℃にもなり、風速30?を越えるブリザードが吹き荒れる。自分たちだけで生きなければならない、孤立無援の生活だった。3年間で南極大陸をスノーモービルで6200?走る地質調査の旅を行った。
そこは、毎日、生きるか死ぬかの世界。誰も怪我をさせず、ひとりも失わないで、日本に無事、帰国する。それが、私の究極の任務だった。
最後まで残る人間の欲は、食欲だ。人間の根源の欲、食欲を満たし精神を安定させることが、命を守るためにもっとも大切だと悟った。食欲が満たされれば、笑顔が溢れてチームは和み、隊員の集中力も途切れない。安全は食にありなのだった。
そして、私は命をかけ、命を守る覚悟を抱けるようになった。私の命を救ってくれた岳友のように・・。
■ 阿部幹雄プロフィール
1953年、愛媛県松山市生まれ、札幌市在住。写真家、ビデオジャーナリスト、(株)極食。北海道テレビ(HTB)イチオシ!「MIKIOジャーナル」担当。28歳の時、8人が死ぬ山岳遭難を体験。2007〜2010年、南極観測隊に参加。雪崩事故防止研究会代表、(公社)日本雪氷学会北海道支部「雪氷災害調査チーム」代表、北海道山岳レスキュー研究会副代表、北大山とスキーの会会員。
【参加費】 会場使用料、資料代として500円〜1000円を集めます。
(金額は参加者数によって決定します)
【申し込み先】 田原功一 rescue-tiger (at) i.softbank.jp
【問い合わせ先】阿部幹雄 mabe (at) seagreen.ocn.ne.jp
※例会終了後、忘年会(「サンコック」緑苑ビル地下、会費3500円)を予定しています。
こちらにもぜひご参加下さい。講師の阿部も参加します。
☆資料や会場準備の都合上、ご参加の可否をE-mailにて事前にお知らせ下さい。
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以上、よろしくお願いいたします。