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2011年4月29日に長野県・白馬大雪渓で発生した雪崩事故の現場調査を5月9日に行いましたので、その概略を速報としてお知らせ致します。数値等は速報値ですので、この後、変更される可能性もあります。なお、本調査は、 独立行政法人土木研究所 雪崩・地すべり研究センター と合同で行いました。
●データ●
日付: 2011年4月29日(発生日)
時間: 午後4時頃(新聞報道より)
場所: 白馬大雪渓( 地形図 )
種類: 面発生表層雪崩
規模: size 3(標高差約700m)
破断面: 南東、幅約150m、高さ約100cm(観測実施時)、斜度約45度(観測個所)
弱 層: 不明
滑り面: 融解凍結クラスト
※プロファイルはSPINの白馬大雪渓破断面(ID 537・日付110509)でご覧頂けます。
※SPINの記号等は「 こちら 」を参考にされてください。
数10cm〜1m程度の大きさのブロック状のデブリがみられた。
破断面は稜線直下の標高2660m付近。発生区の幅は100m程度(赤い破線は破断線を示す)。
破断面の高さは約100cm。滑り面の上に1.0-2.0
mmのざらめ雪層がみられたが、雪崩後の降雨によって変態した可能性が高く、弱層は不明。スラブ内に複数の融解・凍結層や汚れ層を含むことから、雪崩事故直前の荒天の積雪のみが崩れたのではなく、旧雪層から崩れたことがわかる。
●行動●
グループ: 9人(グループ)+1人(単独行)
種別: 登山
内容: 白馬大雪渓で雪崩が発生し、少なくとも4人の登山者が巻き込まれた。このうち3人が県警ヘリコプターで病院に運ばれたが、1人が死亡、2人が重軽傷。さらに翌日1人(単独行)の遺体が発見された(新聞報道より。5月10日現在)。