RSSセンター
メイン | 簡易ヘッドライン |


一般財団法人日本気象協会(本社:東京都豊島区、会長:松尾道彦)は、2011年8月29日(月)に2011年夏(6月から8月)の天候をまとめました。2011年夏は、記録的に早い梅雨明け、大雨や豪雨、記録的な猛暑、不安定な天候など、様々な特徴がありました。
1. 早い梅雨入りと梅雨明け(速報値)
(1)梅雨入り
・ 近畿と関東甲信は1951年の統計開始以降2位、中国、東海は3位の早さで梅雨入り
表1.2011年に梅雨入りの早い記録を更新した地方(3位以内) |
|||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||
※近畿での1963年の梅雨入りは「特定せず」 |
(2)梅雨明け
・ 沖縄は1951年の統計開始以降最も早い6月9日に梅雨明け
・ 九州南部は1951年の統計開始以降2位、近畿と東北北部は3位の早さで梅雨明け
・ 奄美を除き各地で平年よりも10日〜17日早い梅雨明け
表2.2011年に梅雨明けの早い記録を更新した地方(3位以内) |
|||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||
※速報値は、後日変更となる場合があります |
|
図1.2011年の梅雨明け |
2. 大雨や豪雨(発生した日付順)
(1)九州地方の大雨
・ 6月中旬に九州で大雨、中旬の降水量が熊本県阿蘇山で995.5mmなど1000mm前後の所があった
・ 3月12日に全線が開通した九州新幹線も大雨の影響によって一部の区間で運転を見合わせ
(2)台風6号による大雨
・
7月19日の日降水量は、高知県安芸郡馬路村魚梁瀬で国内観測史上最高の851.5mm、三重県多気郡大台町宮川で5位の764.0mmを記録するなど、四国や紀伊半島で総雨量が1000mm前後に達した
表3.日降水量の観測史上順位(5位以内) |
||||||||||||||||||||||||||||||
|
(3)平成23年7月新潟・福島豪雨
・ 7月27日〜30日に福島県南会津郡只見町只見で711.5mm、新潟県加茂市宮寄上で626.5mmの降水
・ この4日間で7月の月平均降水量(只見282.4mm、宮寄上302.3mm)の2倍以上を記録
・ 新潟県の被害見込額は1,630億円(8月19日現在)、福島県の被害総額は198億円(8月9日現在)
3. 周期的に猛暑が襲来
(1)6月下旬〜7月中旬の記録的な猛暑
・ 東日本と西日本では6月下旬の旬平均気温が1961年の統計開始以降、最高値を更新
・ 6月24日に埼玉県熊谷で6月としての国内最高気温39.8℃を記録
・ 北日本では7月上旬、東日本では7月中旬で旬平均気温が1961年の統計開始以降、最高値を更新
・ 全国的な暑さのピークは7月17日で、全国143地点で猛暑日を記録
・ 熱中症による救急搬送者数が2008年以降、7月としては最多の17,963人(総務省消防庁調べ)
(2)8月7日〜18日の猛暑
・ 全国的な暑さのピークは10日、全国151地点で猛暑日を記録
・ 8月8日〜14日の熱中症による救急搬送者数は週別推移で今夏最多の7,438人(速報値)
表4.最高気温と猛暑日のランキング(8月25日まで) |
|||||||||||||||
|
4.猛暑時々肌寒(関東地方では気温の変動が大きかった)
・ 冷湿な北東風の影響などで最高気温が平年を大きく下回る日もあり気温の変動が大きかった
・ 東京(大手町)で当日の最高気温が前日の最高気温より5℃以上下がった日は、2010年が1日に対して今年は6日あった
|
図2.東京(大手町)の最高気温 |
5.大気の状態が不安定で雷雲が発生
・ 安定した夏となる8月は、上空の寒気や南からの湿った空気が流れ込んだ影響で大気の状態が不安定となって雷雲が発生、各地で激しい雷雨に見舞われた。
・
記録的な猛暑となった2010年比べて、今年の8月(28日まで)は竜巻注意報が約2.5倍、記録的短時間大雨情報が約2倍発表された