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事例/2010/11-30立山雪崩

履歴  

2010年12月7日 速報初版公開

災害調査 課題名  国見岳および室堂周辺雪崩調査  

現地調査代表者山口悟 雪氷災害調査チーム, (独)防災科学技術研究所雪氷防災研究センター
出川あずさ 日本雪崩ネットワーク

(各機関の調査代表者)
実施期間2010年12月1日〜 2010年12月2日
現地調査参加者山口悟 雪氷災害調査チーム, (独)防災科学技術研究所雪氷防災研究センター
佐々木大輔 雪氷災害調査チーム
出川あずさ 日本雪崩ネットワーク
池田慎二 日本雪崩ネットワーク
廣田勇介 日本雪崩ネットワーク
横山巌 日本雪崩ネットワーク
高月泰治 日本雪崩ネットワーク

[目  的]  

2010年11月30日に富山県・立山国見岳で起きた雪崩事故現場における積雪の科学的調査

注:本レポートは,調査結果のうち,雪崩発生域の破断面観測結果に関して速報するものである.速報値なので,数値等は変更される可能性がある.

[災害の概要]  

2010年11月30日午前8時50分頃,山スキーで国見岳の北東斜面を登行中に雪崩が発生し,6名パーティの6人全員が雪崩に巻き込まれた.部分埋没の1人と,後方を歩いていた2パーティ等によって救助活動が行われたが,2名死亡,3名怪我となった.

(聞き取りにより記述)

[実施内容]  

2010年12月1日〜2日に,日本雪氷学会北海道支部雪氷災害調査チームは,日本雪崩ネットワーク,(独)防災科学技術研究所雪氷防災研究センターとの混成調査隊として現地に入り,破断面等の積雪調査を行った.

<行動概要>  

2010年12月1日〜 2010年12月2日
1日7時 大町駅前集合 8時10分立山黒部貫光株式会社従業バスにて室堂へ移動
1日10時 室堂着  その後、国見岳および室堂周辺域で積雪観測 15時40分終了
1日立山黒部貫光株式会社従業寮にて宿泊
2日立山黒部貫光株式会社従業員バスにて大町へ下山 大町到着15時

<調査内容>  

  1. 雪崩規模と遭難者埋没位置の特定
  2. 破断面の積雪調査<層構造, 雪質と雪粒の大きさ, 硬度, 雪温, 密度>

<規模>  

発生日時2010年11月30日8時50分頃
場所国見岳
種類面発生乾雪表層雪崩
破断面(上部のもの)最深部標高2528mm付近, 北東, 幅約70m, 厚さ10〜150cm, 斜度34度
走路規模標高差:約100m
弱層(上部Pit1)こしもざらめ雪(粒度0.5-1.0mm, 厚さ2cm)
滑り面(上部Pit1)しまり雪(粒度0.2mm)
fig1_loc.jpg.jpg
1282x962 158.9KB
図1 観測位置 (写真撮影:雪氷災害調査チーム 佐々木大輔)

<GPSデータ(測地系:WGS84)>  

上部破断面最深部北緯36°34'29.38"東経137°35'22.24"標高2528m(現地計測)
上部破断面Pit1北緯36°34'29.22"東経137°35'23.27"標高2514m(現地計測)

<断面観測結果(Pit1)>  

積雪断面観測結果
観測点国見岳北東斜面 標高2514m
N36°34′29.22″ E137°35′23.27″
斜面勾配34°
斜面方位北東
観測日2010/12/1
観測者池田慎二
開始時刻12:40-14:30
積雪深(㎝)260
天気晴れ
気温(℃)-8.3(13:00)
スラブの厚さ(上部破断面)約73cm(観測実施時)
弱層126-128cm:赤いハッチングで示した層
弱層テスト
SI1.4
備考
fig2_pit1.jpg
3008x1688 2058.5KB
図2 断面観測結果(Pit1)(写真撮影:日本雪崩ネットワーク 池田慎二氏)

雪質と雪粒の大きさ硬度
上位置(㎝)下位置(㎝)雪質粒径(mm)(手)コメント
260259新雪、あられ0.5-1.0F
259252しまり、こしまり0.2-0.51F-
252251あられ1.0-2.0F
251243しまり、こしまり0.2-0.51F-
243205しまり0.21F
205184しまり0.21F+
184183あられ1.0-2.51f
183166しまり0.21F+
166165あられ1.0-2.04F
165156しまり0.2P
156154しまり0.2P黄砂まじり
154148しまり0.2P
148128しまり、こしもざらめ0.2-0.51F
128126こしもざらめ0.2-1.04F弱層
126121しまり0.2P滑り面
12170しまり、こしもざらめ0.2-0.51F-硬度が一部不均一

硬度(PP)雪温密度
位置(cm)kPa位置(㎝)T(℃)上位置(㎝)下位置(㎝)ρ(kg/m3)
2591.3260-13.2260257222
25520.4250-10255252206
2528.1240-9.3254251175
25026.7230-9250247219
24034.4220-8.8240237261
23060.3210-8.6230227247
22056.9200-8.3220217218
21070.9190-7.9210207275
20066.2180-7.5200197210
19060.3170-7190187210
18047.5160-6.5187184211
17069.2150-6.2186183210
16640.7140-5.8180177192
16061.1130-5.3170167225
14883.6127-5.4168165217
140248.3120-4.8160157230
13040.7110-4.2148145258
12728.4100-3.4140137225
125196.190-2.8131128288
12059.880-2.3128126222
11089.670-2126123345
10090.8120117283
90142.2110107295
80129.910097307
70102.79087324
8077310
7067302

<断面観測結果(Pit2)>  

積雪断面観測結果
観測点国見岳北東斜面
斜面勾配
斜面方位北東
観測日2010/12/1
観測者山口悟
開始時刻
積雪深(㎝)263
天気晴れ
気温(℃)-5.6(12:30)
雪崩層の厚さ(上部破断面)約130cm(観測実施時)
弱層133-135cm:赤いハッチングで示した層
弱層テスト
SI
備考
fig3_pit2.jpg
1217x2166 451.7KB
図3 断面観測結果(Pit2)

雪質と雪粒の大きさ硬度硬度(PP)
上位置(㎝)下位置(㎝)雪質粒径(mm)(手)コメント位置(cm)kPa
263251新雪(あられ混じり)0.2-1.0
251259あられ1
259243新雪、こしまり0.5
243241あられ1
241240こしまり0.5
240238あられ1
238228こしまり0.5
228226あられ1
226199しまり0.5
199198あられ1
198153しまり0.5-1
153152しまり、こしもざらめ0.5-1
152150しまり1黄砂まじり
150135しまり1
135133こしもざらめ0.5-1雪崩を引き起こした弱層
13352しまり1ところどころ不連続のこしもざらめ層あり
5250ざらめ1
5035しまり1
350ざらめ1

雪温密度
位置(㎝)T(℃)位置(㎝)ρ(kg/m3)
263-13248171
260-10238180
255-9.3228200
245-8.9218232
235-8.7208216
225-8.6198237
215-8.5188215
205-8.4178238
195-8.2168218
185-7.9158261
175-7.4148271
165-6.7138233
155-6128258
145-5.6118342
135-5108277
125-4.798310
115-4.388310
105-478317
100-3.668302
90-3.158332
80-2.948267
70-2.4
60-2
50-1.5
40-1
30-0.5
20-0.3
10-0.1
00

<気象>  

[成果と効果]  

今回の雪崩は,面発生乾雪表層雪崩である.

本調査では破断面を確認して断面観測を行うことができたため, こしもざらめ雪の弱層となった積雪層を確認することができた. これにより,旧雪内の弱層が崩壊したことによって雪崩となったものと判断される.

なお,Pit1, Pit2の雪崩破断面両方で,類似した積雪構造と弱層を確認した.

[成果の発表・貢献]  


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